2024/02/15 更新

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オオスギ ケンイチ
大杉 謙一
OSUGI Ken-ichi
所属
法務研究科(ロースクール) 教授
その他担当機関
法学研究科民事法専攻博士課程後期課程
連絡先
メールによる問い合わせは《こちら》から
外部リンク

学位

  • 学士 ( 東京大学 )

学歴

  • 1990年3月
     

    東京大学   法学部   卒業

  • 1986年3月
     

    兵庫県立姫路西高等学校   卒業

経歴

  • 2004年4月 -  

    中央大学大学院法務研究科教授

  • 1993年10月 - 2004年3月

    東京都立大学法学部助教授

  • 1990年4月 - 1993年9月

    東京大学法学部(平成3年4月より大学院法学政治学研究科)助手

研究分野

  • 人文・社会 / 民事法学

論文

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書籍等出版物

  • ケースブック会社法(弘文堂ケースブックシリーズ)

    丸山秀平, 野村修也, 大杉謙一, 松井秀征, 高橋美加, 河村賢治著( 担当: 共著)

    弘文堂  2015年2月 

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    総ページ数:228   記述言語:日本語   著書種別:学術書

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  • 事例で考える会社法

    伊藤靖史, 伊藤雄司, 大杉謙一, 齊藤真紀, 田中亘, 松井秀征( 担当: 共著)

    有斐閣  2011年12月 

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    記述言語:日本語   著書種別:学術書

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  • ケースブック会社法 第4版

    丸山秀平, 野村修也, 大杉謙一, 松井秀征, 髙橋美加( 担当: 共著)

    弘文堂  2011年3月 

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    記述言語:日本語   著書種別:学術書

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  • 会社法 第2版

    伊藤靖史, 大杉謙一, 田中亘, 松井秀征( 担当: 共著)

    有斐閣  2011年3月 

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    記述言語:日本語   著書種別:学術書

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  • 会社法

    伊藤靖史, 大杉謙一, 田中亘, 松井秀征( 担当: 共著)

    有斐閣  2009年4月 

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    記述言語:日本語   著書種別:学術書

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  • ケースブック会社法 第3版

    丸山秀平, 野村修也, 大杉謙一, 松井秀征, 髙橋美加( 担当: 共著)

    弘文堂  2008年3月 

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    記述言語:日本語   著書種別:学術書

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  • ケースブック 会社法(第2版)

    丸山秀平, 野村修也, 大杉謙一, 松井秀征, 高橋美加( 担当: 単著)

    弘文堂  2006年3月 

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    総ページ数:431   記述言語:日本語   著書種別:学術書

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  • ケースブック会社法 (弘文堂ケースブックシリーズ)

    丸山秀平, 野村修也, 大杉謙一( 担当: 単著)

    弘文堂  2004年4月 

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    記述言語:日本語   著書種別:学術書

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  • 現代企業法・金融法の課題

    弥永真生, 山田剛志, 大杉謙一( 担当: 単著)

    弘文堂  2004年1月 

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    記述言語:日本語   著書種別:学術書

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  • コーポレート・ガバナンスの新局面

    鈴木忠雄, 江頭憲治郎他( 担当: 単著)

    商事法務研究会  1998年11月 

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    記述言語:日本語   著書種別:学術書

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MISC

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講演・口頭発表等

  • ライブ・事例で考える会社法

    大杉謙一

    有斐閣法律講演会  2012年7月 

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    記述言語:日本語   会議種別:公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等  

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  • 法科大学院での授業のあり方

    大杉謙一

    明治大学法科大学院FD研修会  2012年3月 

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    記述言語:日本語   会議種別:公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等  

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  • 今月の特別記事 新会社法とこれからの企業経営

    大杉謙一

    日経研月報  2006年2月 

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    記述言語:日本語   会議種別:公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等  

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  • 対談・敵対的買収とその防衛策(法学教室300号記念特集 21世紀の法律学――商法と経済学の対話)

    柳川範之, 大杉謙一

    月刊法学教室  2005年9月 

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    記述言語:日本語  

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  • OECD・世界銀行アジアのコーポレート・カヴァナンスに関する円卓会議報告(英語)

    2002年11月 

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    記述言語:日本語  

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  • OECD・世界銀行ロシアのコーポレート・カヴァナンスに関する円卓会議報告(英語)

    2000年2月 

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    記述言語:日本語  

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  • 韓国比較私法学会報告「日本のコーポレート・ガバナンス」(日本語)

    1999年10月 

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    記述言語:日本語  

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  • 日本私法学会報告「企業金融法の基本構造」

    1996年10月 

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    記述言語:日本語  

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 社会のサステナビリティを支える会社と契約のガバナンス・メカニズム

    研究課題/領域番号:21H00669  2021年4月 - 2025年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)  学習院大学

    小塚 荘一郎, 松中 学, 木戸 茜, 梅村 悠, 胥 鵬, 曽野 裕夫, 松井 智予, 大杉 謙一, 高橋 秀朋, 杉山 佳子

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    配分額:16380000円 ( 直接経費:12600000円 、 間接経費:3780000円 )

    令和3年度は、研究期間の初年度であるため、課題に関する基礎的な研究を進めることとした。
    第一に、日本企業のサステナビリティに対する取り組みについて、コーポレートガバナンス全般についての考え方、とくに取締役会・監査役会(ボード)の機能に着目しつつ、分析を行った。その結果、後掲の松中論文(ジュリスト1563号)、松井論文を刊行することができたほか、小塚が国際シンポジウムで報告を行った。そのほか、松中、松井、梅村が公開企業のガバナンスに関する基礎的な論文等を公表した。
    第二に、胥と高橋が経営者の幼少期の戦争体験が企業収益、投資及びM&Aなどの企業財務意思決定に対する影響を明らかにする論文を公表した。これは、今後、このアプローチを応用して経営者の環境問題体験のESGスコアに対する効果を検証することを可能にするものである。また、胥が、日本の少子高齢化の企業の退出のあり方に対する効果を検証し、持続可能な経済成長のために、女性や高齢者の活用がESG投資の重要な要素になると示唆する結果が得られた論文を公表した。
    第三に、研究協力者の杉山が、日本の上場企業のボードにおける女性役員の実態調査を行い、それをふまえて論文の作成及び学会報告を行った。なお、杉山はこの研究の成果等により博士研究員の資格を得たため、令和4年度より研究分担者に加わることとなった。
    第四に、サプライチェーンにおける人権やサステナビリティの確保について、実務家からヒアリングを行ったうえで、曽野が企業間契約に関する基礎的な課題を解明する論文執筆と学会報告を行った。

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  • サステナブルな社会の実現に向けたコーポレート・ガバナンスにおける役員構成の意義

    研究課題/領域番号:17H02471  2017年4月 - 2021年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)  学習院大学

    小塚 荘一郎, 松中 学, 梅村 悠, 胥 鵬, 松井 智予, 大杉 謙一

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    配分額:14690000円 ( 直接経費:11300000円 、 間接経費:3390000円 )

    ボード(取締役会及び監査役会)の多様性の要請や、社会のサステナビリティを実現するようなコーポレートガバナンスへの期待は、経営効率性のモニタリングという従来のコーポレートガバナンスとは異質であるように見える。しかし、サステナビリティへの要請は、経営者が裁量権を持って利害関係者(ステイクホルダー)の利害を調整するというかつてのコーポレートガバナンスに逆戻りするのではなく、独立社外者による業務執行のモニタリングを一層厳格に求めるものであり、また、ボードの多様性は、そうしたモニタリングを行うボード構成員が有すべき能力(スキルセット)の問題としてとらえることができることが解明された。

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  • 企業価値向上型コンプライアンス態勢モデルの構築-法律学と経営学の協働によるー

    研究課題/領域番号:15K03220  2015年4月 - 2019年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)  中央大学

    遠山 信一郎, 阿部 道明, 大澤 恒夫, 山本 秀男, 大杉 謙一, 杉浦 宣彦, 遠藤 輝好, 柏木 昇, 杉山 忠昭, 南波 裕樹

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    配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )

    企業価値向上型コンプライアンスの多角的分析として、各研究メンバーが研究成果をWeb掲載しオープンアクセス化した。遠山「企業価値向上型コンプライアンスのアルゴリズムを求めて」ほか計21本の小論を公表。併行して、個別関連テーマについて研究論文を公表した。トピックを扱った例として、柏木「製品検査データ改竄問題と日本企業のコンプライアンス」。また、個別企業におけるコンプライアンスの取組を研究するシンポジウムを2度にわたり実施した。
    ①「企業価値向上型コンプライアンス-花王の挑戦-」
    ②「企業価値向上型コンプライアンス~第二幕大成劇場大成建設の挑戦!?~」

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  • 役員構成を通じたコーポレート・ガバナンスの改善

    研究課題/領域番号:24330027  2012年4月 - 2016年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)  学習院大学

    小塚 荘一郎, 胥 鵬, 大杉 謙一, 松井 智予, 松中 学

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    配分額:12220000円 ( 直接経費:9400000円 、 間接経費:2820000円 )

    本研究は、コーポレート・ガバナンスの鍵として近時急速に注目を集め、わが国でも制度化が進められた独立役員制度について、実証的に研究したものである。この現象は、世界各国で同時並行して進行しつつあることから、国立シンガポール大学、シドニー大学及びドイツのマックスプランク比較私法・国際私法研究所と共同して、アジア諸国における独立役員制度を比較する国際共同研究を組織し、そこにおいて理論枠組の開発及びわが国の現状の実証分析の提供を行った。また、役員構成を通じてコーポレート・ガバナンスを改善するという議論は、欧州を中心として、役員構成の多様性への関心を移しつつあるので、それについても、理論研究を行った。

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  • ポスト「日本法の透明化」のための総括的研究

    研究課題/領域番号:16090103  2004年 - 2010年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  特定領域研究  九州大学

    河野 俊行, 小島 立, 早川 吉尚, 大杉 謙一, 久保田 隆, 松下 淳一, 早川 眞一郎, 佐野 寛, 野村 美明, 神前 禎, 中野 俊一郎, 多田 望, 西谷 祐子

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    配分額:165400000円 ( 直接経費:165400000円 )

    本領域は平成16年度に開始し平成21年度が最終年度であった。しかし全体の取り纏めのために本補助金を申請したところである。その取り纏め事項の主な事柄としては、全体の取り纏め的業績発表と、集積した判例データの今後の活用方策を明らかにすることの二点であった。前者については各班の代表者による分野別レポートを取り纏め、Japanese Yearbook of International Law 53巻に掲載されたところである。後者については、1001件の判例英文データを取りそろえたプロジェクトはこれまでになく、このデータの価値を維持するためには新判例を継続的に翻訳して加えてゆくことが必要となるところ、領域終了後補助金なしでそれを可能にするための方策が必要であった。そこでそのための方策として、民間企業にデータを移管し、営利ベースで継続することが最も持続性が高いと判断された。そこで複数の民間業者と協議を重ね、本報告書執筆時点では一社に絞られた。2008年の経済危機の影響でリーガルビジネスは多大な影響を受けた。この経済危機と日本政府が導入した破たん企業救済策がリーガルビジネスに与えた影響は大きく、それを踏まえた持続可能な営利ベースのモデルの協議に予想以上の時間が必要となった。ほぼ1年かけて試行錯誤してきたが、ようやく形が見えてきたところである。また最近、この企業のアメリカ本社の担当役員とテレカンファレンスを行い、さらに協議を進めえたところである。

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  • 会社法現代化の課題

    2005年4月 - 2007年3月

    中央大学  中央大学特定課題研究費 

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    資金種別:競争的資金

    配分額:1060000円

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  • アジアにおける企業法制・資本市場法制の改革とコーポレート・ガバナンス問題

    2005年4月 - 2007年3月

    中央大学  中央大学共同研究費他 

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    資金種別:競争的資金

    配分額:3000000円

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  • 国際的企業活動における外人法上の規則の会社法・国際私法の観点からの比較法的研究

    2004年4月 -  

    文部科学省  科学研究費補助金(特定領域研究) 

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    資金種別:競争的資金

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  • 企業統治の確立及び金融市場の発展のための基礎的研究

    研究課題/領域番号:15330018  2003年 - 2004年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)  新潟大学

    山田 剛志, 桜内 文城, 弥永 真生, 大杉 謙一

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    配分額:9900000円 ( 直接経費:9900000円 )

    本研究はまず、「現代企業法・金融法研究会」として、財務省を会場として6回研究会を行った。その研究会の成果が、弥永真生・山田剛志・大杉謙一編著『現代企業法・金融法の課題』(弘文堂)である。同書では、企業統治の確立及び金融市場の発展というテーマを多角的に検討するため、企業法制・企業会計・銀行行政という分野ごとに、考察を展開している。すなわち大杉謙一が「LLCにおける定款自治の基礎」、弥永真生が「資産流動化と信託法理の活用の余地」「コマーシャルペーパー保有者保護と商法・証券取引法」「取締役のリスク管理責任と金融商品開示」について、桜内文城が「公会計と企業会計の相互関係」「財投機関債に関する緒論点」、山田剛志が「整理回収機構による正規任追及訴訟と銀行取締役の注意義務」という論文を掲載している。また研究協力者として、梅津立が「企業情報開示の課題」、渡邉雅之が「銀行その他の付随業務」、江崎滋恒が「親子会社と取締役の責任」、江平享が「表明・保証と瑕疵担保の責任との関係」、そして生田美弥子が「フランス簡易会社と会社法改正」について、それぞれ論攷を掲載している。
    また本研究は、商法の最重要課題であるコーポレートガバナンスに関し、統一的な考察を加えている。本研究は、2004年8月11日に新宿ワシントンホテルで「コーポレートガバナンスと商法の役割」というタイトルで、東京大学神田秀樹教授、東京経済大学若杉敬明教授をお招きし、また共同経営者であるコロンビア大学カーティス・ミルハウプト教授を招聘して、シンポジウムを行った。その際神田教授「商法改正とコーポレートガバナンス」、若杉教授「経営論から見た商法」、ミルハウプト教授「アメリカから見た委員会等設置会社」という基調講演のあと、弥永真生が「ディスクロージャーとガバナンス」、山田剛志が「社外取締役と独立取締役」、大杉謙一が「内部統制・コンプライエンス」として、パネルディスカッションを行った。その模様は、2005年3月15日に中央経済社から、神田秀樹編著『コーポレートガバナンスにおける商法の役割』として、刊行された。同書には、上述の論攷の他、荻野博「商法改正とコーポレートガバナンスの10年」、角田大憲「変わりゆく会社と株主の関係」山崎明美「商法改正と機関投資家の議決権行使」も同時に掲載されている。このように本研究の成果は、国際シンポジウム1回のほか、書籍2冊に結実している。

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  • 企業の倒産・再建の会社法的諸問題

    研究課題/領域番号:13720039  2001年 - 2002年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  若手研究(B)  東京都立大学

    大杉 謙一

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    配分額:2100000円 ( 直接経費:2100000円 )

    平成14年1月に英国ロンドンにおいて、公認会計士・弁護士を訪問し、英国の倒産法改正の動向や浮動担保制度の運用について情報を収集した。平成13年冬には「会社更生と社債研究会」に参加し、提言をまとめた。
    得られた知見は以下のとおり。(1)企業の継続価値を対象とする担保権は、債務者の機会的行動への耐性に優れている。ただ、債権者間の対立において、担保権に過剰な優先効を認めることは、与信時の審査を過少とするマイナス面が存在する。(2)中小企業において多用される経営者の個人保証についても、(1)と同様の長所・短所が存在する。(3)倒産処理における債務者間の優先順位の取扱いについて。企業価値最大化のインセンティブを経営者から引き出したり、倒産処理に要する費用を節減するために、債権者間の自治により優先順位を柔軟に取り扱うことは正当化されうる。(4)法的倒産手続における再生計画・更生計画等は、弁済計画としてではなく、資本構成の変更ととらえるべきである。

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  • 企業の資金調達に関する法規制・企業支配に関する法規制とその交錯の理論的分析

    研究課題/領域番号:07720031  1995年    

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  奨励研究(A)  東京都立大学

    大杉 謙一

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    配分額:700000円 ( 直接経費:700000円 )

    今年度は主にドイツの優先株式や享益権(享益証券)について研究を進めた。
    前者については、元来アメリカで発生した種類株式という制度がドイツ法に継受されるに際して受けた変容が明らかにされた。一般的にいうと、英米の会社法は機能性を重視し、規制が緩やかであるのに対して、欧州大陸の会社法は相対的には古典的な法人理論・会計理論などの上に立っている。日本の会社法制の今後の方向性としては、不必要な規制を廃し、機能性を重視すべきであると考えるが、日本の会社法が基本的には大陸型のものを継受したものであることから、会社法制の改革は容易でないことが予想される。ドイツ法が優先株式を受容するに際して施したある種の換骨奪胎は、日本法の今後を考える上で看過できない論点を含んでいる。たとえば、立法論においては法解釈の前提となっている古典的な概念に不必要に拘泥してはならないことが導かれよう。
    後者については、享益権を専ら抽象的な法理論として考察することは妥当ではなく、なぜそのような変則的な制度が存在するかの考察こそが重要である。優先株式にも共通するが、典型的な株式や典型的な社債の存在意義が明らかであるのに対して、享益権のような変則的な制度は隙間(ニッチ)的な需要に応えることが多い。ドイツでいえば、金融機関の自己資本強化や一般事業会社の従業員の資産形成などがそれである。もちろん日本においてもこのような需要が存在しないわけではないが、日本に類似の制度を導入すべきとは直ちに断言できない。むしろ、ドイツでは会社法の建前が厳格すぎ、種類株式などの利用で需要を満たすことができなかった事情を無視してはならない。ドイツの法規制を全体的に眺めると、種類株式に対する規制と享益権に対する規制とが均衡を失しており、その模倣は適切なこととは思われない。

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