2024/09/20 更新

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サクライ ヒデコ
櫻井 秀子
SAKURAI Hideko
所属
総合政策学部 教授
その他担当機関
総合政策研究科総合政策専攻博士課程前期課程
総合政策研究科総合政策専攻博士課程後期課程
連絡先
メールによる問い合わせは《こちら》から
外部リンク

学位

  • 博士(経営学) ( 明治大学 )

  • 国際学修士 ( 国際大学 )

学歴

  • 1985年3月
     

    国際大学   国際関係学研究科   修士   修了

  • 1981年3月
     

    神戸大学   経営学部   商学/マーケティング   卒業

経歴

  • 2009年4月 -  

    中央大学総合政策学部   教授

所属学協会

  • 異文化経営学会

  • 地域文化学会

  • 国際ビジネス学会

  • 日本比較経営学会

  • EURAM(European Academy of Management)

  • 日本経営学会

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研究キーワード

  • イスラーム経済経営、イスラーム社会思想、西アジア、イラン

研究分野

  • 人文・社会 / 経営学  / 経営学

  • 人文・社会 / 地域研究  / 地域研究

論文

  • イスラーム的近代と共存在価値の実現 招待

    櫻井秀子

    土着的近代研究   ( 1 )   22 - 36   2023年4月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

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  • イスラーム諸国における営利・非営利のハイブリッド経営 招待

    櫻井秀子

    比較経営研究   ( 47 )   24 - 43   2023年3月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

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  • 近代化過程におけるイスラーム社会改革運動ーイラン・パフラヴィー政権下を中心として 招待

    櫻井秀子

    リーラー   ( 12 )   156 - 179   2022年3月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:文理閣  

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  • イラン経済アップデートー制裁、コロナ、グレートリセット 招待

    櫻井秀子

    中東研究   ( 539 )   42 - 55   2020年9月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:中東調査会  

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  • イスラームにおける「喜捨の経済」-存在のあらわれとしての贈与 招待

    櫻井秀子

    産業経理   80 ( 1 )   37 - 48   2020年4月

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:産業経理協会  

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  • 日本の財界の寄付活動と社会貢献:地震災害の復興支援を中心に 査読

    櫻井秀子, 篠木幹子

    総合政策研究   ( 28 )   85 - 96   2020年3月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(大学,研究機関等紀要)   出版者・発行元:中央大学総合政策学部  

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  • Social contributions of the Japanese business community: Focusing on donation activities for natural disaster reconstruction 査読

    Hideko Sakurai, Mikiko Shinoki

    Conference Proceedings of EURAM 19   2019年6月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(国際会議プロシーディングス)   出版者・発行元:European Academy of Management  

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  • 近代を超える試み―イラン革命再考 招待

    櫻井秀子

    リーラ   11   139 - 165   2019年3月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:文理閣  

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  • イスラームにおける贈与とワクフ 招待

    櫻井秀子

    リーラ「欧米的近代の終焉と宗教」   10   40 - 60   2018年3月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:文理閣  

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  • Toward a socially rational management: Insights from Japanese and islamic business ethics 査読

    Hideko Sakurai, Ayako Sendo

    Critical Studies on Corporate Responsibility, Governance and Sustainability   11   271 - 292   2016年

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:Emerald Group Publishing Ltd.  

    Purpose - This study investigates an approach for business management based on social rationality, which is attained through a proper balance between profits from economic exchange and benefits from social exchange. Methodology/approach - First, this study examines the economic rationalization process developed by the business corporation, which is a great innovation in the modern West, but criticized for dominating people through overwhelming capital and power. Second, social rationality is explained by focusing on the balance between economic exchange and social exchange. Third, the ethics and practices of traditional Japanese and Islamic business management are examined including their underlying social rationality in business and shared commonalities in business practices that circulate economic gains in their societies. Findings - By encapsulating all the relevant elements drawn from traditional Japanese and Islamic business, four conditions were found which successfully establish socially rational management based on sharing and reciprocity: an appropriately life-sized economy
    relation-oriented management
    a market in which a profit-seeking exchange economy and a profit-cyclical gift economy coexist
    autonomous associations that are independent from the control of both state and business corporations. Research implications - This research reevaluates the rationality of management complying with business ethics, which has been kept in traditional and non-Western business practices. These management styles are considered to be incongruous with modern management philosophies that solely rely on economic gain, resulting in the neglect of significant cultural principles in modern management. Practical/social implications - This chapter suggests a way to circulate the profits among people through sharing and reciprocity for the public to diminish external diseconomies and solve social problems such as poverty, pollution, war, and alienation through business. Originality/value - This study presents a method of shifting the paradigm from economically rational to socially rational management, which is urgently required in current business practices worldwide.

    DOI: 10.1108/S2043-905920160000011012

    Scopus

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  • オルタナティブとしてのイスラーム経済システム 招待 査読

    櫻井秀子

    地域文化研究   ( 17 )   182 - 204   2015年3月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:地域文化学会  

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  • 宗教と経営実践:イスラームと仏教を中心として 招待

    櫻井秀子, 中屋信彦, 木村有里

    比較経営研究   ( 40 )   25 - 36   2015年3月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:文理閣  

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  • 〈自己〉という牢獄―単一的アイデンティティーからの解放と平和 招待

    櫻井秀子

    リーラ   18   55 - 77   2014年9月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:文理閣  

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  • イスラーム的な自己形成

    櫻井秀子

    政策文化総合研究所年報   ( 16 )   69 - 84   2013年8月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(大学,研究機関等紀要)   出版者・発行元:中央大学政策文化総合研究所  

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  • イスラーム法学のダイナミズムの根源に関する一考察|rn|-法学派の形成過程を中心として

    櫻井秀子

    総合政策研究   21 ( 21 )   67 - 79   2013年3月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(大学,研究機関等紀要)   出版者・発行元:中央大学総合政策学部  

    The paper considers the origin of dynamism in Islamic Law by examining the formation process of madhhabs (of legal schools) with a special reference to Wael B. Hallaq's Authority, Continuity, and Change in Islamic Law (2001). This text examines the doctrines and practices of madhhabs within the historical context, and shows how madhhab functioned effectively in the Islamic world before the Shariá (Islamic law) system was integrated into the modern nationstate system. The paper explains the role and the qualifications of the muftī (jurisconsult) and the musannif (authorjurist) to better illustrate the structural diversity of madhhab, focusing on the legal practices such as ijtihād, takhrīj, tarjīh, and tasnīf. In Hallaq's study, the plurality and diversity of madhhabs is considered as an important factor for both continuity and change in Islamic law, and its epistemological aspects are primarily explained. This paper further explains the ontological aspects of madhhab from the Islamic worldview, tawhīd, Showing that the dynamism in Islamic law that stems from the diversity is an exact reflection of existential relationships based on tawhhīd.

    CiNii Books

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    その他リンク: http://ir.c.chuo-u.ac.jp/repository/search/item/md/rsc/p/6110/

  • イスラーム的経営の社会合理性 招待

    Discussion paper of Economic Research Center|rn|Nagoya University   ( 185 )   1 - 17   2012年3月

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:Economic Research Center Nagoya University  

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  • ポスト・コーポレーション時代のイスラーム的企業 招待 査読

    櫻井 秀子

    異文化経営研究   8 ( 8 )   19 - 31   2011年12月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:異文化経営学会  

    CiNii Books

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  • イスラーム経営の社会的合理性について:信頼・関係重視型経営の再評価 招待

    櫻井秀子

    比較経営研究   35 ( 35 )   3 - 17   2011年3月

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:日本比較経営学会  

    本論文では、異文化経営の分類にある、取引重視型経営と関係重視型経営の二つのうち、後者に分類されるイスラーム経営の合理性について考察を行った。

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  • イスラームの経営文化―法・パートナーシップ・信用 招待

    櫻井秀子

    ロシア・ユーラシア研究   939 ( 939 )   30 - 42   2010年11月

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:ユーラシア研究所  

    本論文では、イスラーム法の文化的特性を検討しながら、その中に組み込まれた信用の基礎、パートナーシップ経営の具体例などを考察した。

    CiNii Books

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  • イスラーム金融の基本構造:シャリーア・コンプライアンスと経営 査読

    櫻井秀子

    2008年10月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(その他学術会議資料等)   出版者・発行元:明治大学大学院経営学研究科  

    本論文では、現在成長を続けているイスラーム金融を構成している市場とそれを支える社会構造を、取引形態の特性よりも、その文化的・社会的構造に焦点を当てながら、歴史的展開をふまえ考察、分析を行った。イスラーム金融市場は、グローバル金融市場の成長に則した面と、際限なく誇張する資本主義に抗する側面をもつことを指摘し、イスラーム金融が構造的にもつポスト・バローバル社会構築のための理論的、実践的可能性について検証した。

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  • イスラームにおける喜捨と交換:混交経済の社会的合理性

    櫻井秀子

    地域文化研究   ( 10 )   133 - 156   2007年12月

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:地域文化学会  

    本論文ではイスラーム的市場において交換と贈与が並存し、相互補完的に機能することにより、市場のみならず、社会全体において合理性を発揮している点を検証した。贈与なき市場社会においては、交換一元化や仮想経済が拡大することによって、さまざまな社会的弊害がもたらされているが、イスラーム法に基づく存在から繰り出される経済行為が交換と贈与のバランスを保つ要となっている点を示した。さらに、倫理的な経済行為の具体的なかたちとして、交換と贈与のバランスのとれた市場を実現することが、グローバル市場がもたらしている格差社会や分断社会等を是正していく可能性を持っている点を示した。

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  • ハイパー・インダストリアル社会におけるジェンダーと労働

    櫻井秀子

    地域文化研究   ( 9 )   147 - 165   2006年12月

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:地域文化学会  

    本論文では、ハイパー・インダストリアル社会の特性について分析を行い、そこにおいては ジェンダーという差異までもが消滅しようとしている状況を示した。男女差別の解消も重要な課題ではあるが、それと同時に性差までもが消滅し人間が市場で交換可能となるような事態が進行している点を指摘し、近代が作り上げた性差ではなく分割不能な個の確立のために、差異性を維持することの重要性を示した。

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  • イスラーム的経営と持続的発展:バーザールの取引を中心として 査読

    櫻井秀子

    比較経営研究   ( 29 )   100 - 110   2005年3月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:日本比較経営学会  

    本論文では、イスラーム圏のバーザールの商慣習とイスラームの教義との関連について考察した。そして、イスラーム経済システムの要である喜捨、寄進、無利子貸付といった非営利的分野が、社会と経済を持続的発展に導く役割を果たしている点を指摘した。また先進国が持続的発展を目指すにあたっては、いわゆる発展途上国が、資本主義的な成長を遂げられなかったという観点ではなく、なぜ遂げなかったかという観点から考察する重要性について指摘した。

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  • 異文化経営へのアプロローチ:イスラーム的経営の基本理解とその意義について

    櫻井秀子

    異文化経営研究   ( 1 )   34 - 47   2004年9月

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:異文化経営研究会  

    本論文では、イスラーム的経営の基本について示し、それがイスラームの信仰といかにつながっているかについて説明した。異文化理解はもはや経営戦略の一環であり、異文化に関する無理解が、結局のところ経営効率を下げ、異文化社会における企業進出の妨げなっている点を指摘した。

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  • グローバル社会におけるイスラーム経済の可能性

    櫻井秀子

    作新地域発展研究   ( 2 )   99 - 113   2002年3月

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:作新学院大学  

    本論文では、現代イスラーム経済が目指すシステムについて論じ、それが現行のグローバル経済において推進されている自由主義経済システムと対立する点を指摘した。だが他方では、過度の自由主義経済政策により疲弊している先進諸国からは反グローバリズムの動きも見られ、その中にはイスラームの提唱する経済政策と軌を一ににするものもみられる点を、D. コーテンの『ポスト大企業の世界』との具体的比較から指摘した。

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  • 現代イランの伝統的部門の社会・経済的役割:イスラーム圏の地域性とバーザール 査読

    櫻井秀子

    立教経済学研究   52 ( 2 )   61 - 83   1998年10月

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    記述言語:日本語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:立教経済学研究会  

    本論文は、イスラーム圏の地域性を醸成する要となっているバーザールの社会・経済的機能に焦点を当てて、特にカージャール朝からイラン革命後までのイランの伝統的部門の具体的な役割を検討した。伝統的部門が、近代的なフォーマル部門をも凌ぐ背景に、イスラーム共同体の社会的ネットワークが存在することを検証し、東西関係崩壊後の新たな国際関係におけるイスラーム圏の重要性について指摘した。

    DOI: 10.14992/00002577

    CiNii Books

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    その他リンク: http://id.nii.ac.jp/1062/00002577/

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書籍等出版物

  • "Toward Socially Rational Management: Insight from Japanese and Islamic Business Ethics " in Finance and Economy for Society: Integrating Sustainability

    H. Sakurai, A. Sendo, Editors:S. Alijani, C. Karyotis( 担当: 共著)

    Emerald  2016年12月  ( ISBN:9781786355102

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    総ページ数:376   担当ページ:271-292   記述言語:英語   著書種別:学術書

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  • 異文化経営の世界 その理論と実践

    馬越恵美子, 桑名義晴, 編著]異文化経営学会( 担当: 単著)

    白桃書房  2010年3月 

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    担当ページ:269-286   記述言語:日本語   著書種別:学術書

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  • グローバリゼーションと経営学

    赤羽新太郎, 夏目啓二, 日高克平編著( 担当: 単著 範囲: 担当:グローパリゼーションと異文化経営)

    ミネルヴァ書房  2009年4月 

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    記述言語:日本語   著書種別:学術書

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  • イスラーム金融:贈与と交換、その共存のシステムを解く

    櫻井秀子( 担当: 単著 範囲: 単著)

    新評論  2008年9月 

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    総ページ数:256   記述言語:日本語   著書種別:学術書

    イスラーム金融市場の基本構造を社会とのつながりにおいて存在論的、法的、社会的、歴史的な観点から解明した。その過程において、西欧近代的社会理論との比較を行いながら、イスラームにおける贈与と交換の混交市場の固有な構造を導き、それが社会全体の統合性を保つ要となっている点を指摘した。そして現代社会との比較において、近代的〈非合理〉の克服のために贈与と交換の市場の再構築の必要性を示すとともに、文化的転換期における非西欧文明の可能性に言及した。

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  • 経営倫理用語辞典

    日本経営倫理学会編( 範囲: 担当:イスラームの経営倫理)

    白桃書房  2008年2月 

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    記述言語:日本語   著書種別:学術書

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  • 企業モデルの多様化と経営理論

    経営学史学会編, 著作者, 片岡信之, 佐々木恒男, 岸田民樹, 角野信夫, 万仲侑一, 久保広正, 金山権, 櫻井秀子, 福永文美夫, 平澤 哲, 石川伊吹, 宮田将吾, 水村典弘, 狩俣正雄( 担当: 単著 範囲: 担当:シャリーア・コンプライアンスと経営―イスラームにおける経営の原則)

    文眞堂  2006年5月 

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    記述言語:日本語   著書種別:学術書

    イスラーム圏には、イスラーム法にもとづいた独自のコンプライアンスがあるが、その哲学的、法的根拠を明らかにし、経営との関係を論じた。21世紀の経営は近代の一元的なビジネス・エートスにもとづくのではなく、多元的な方向を目指すことを示唆し、イスラーム的経営の思想的・社会的背景、取引形態、トリクルダウン効果などについて論じた。

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  • 世界の女性労働

    柴山恵美子, 藤井治枝他編, 著作者, 柴山恵美子, 藤井治枝, 藤井光男, 明泰淑, 広木道子, 中村艶子, 林瑞枝, 齋藤純子, 中川香代, 中川順子, 櫻井秀子, 倉田聡子, 守屋貴司( 担当: 単著 範囲: 担当:中東イスラーム圏の女性労働)

    ミネルヴァ書房  2005年8月 

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    記述言語:日本語   著書種別:学術書

    イスラーム圏では実際に社会的に活躍している女性たちが多く、また社会構造が経済先進諸国と異なるので、必ずしもフォーマルセクターにおいて賃金労働につくことが女性にとって好ましい状況ではないことを示した。特に構造調整政策の進むイスラーム圏では、女性が市場社会に出てこないことが、社会のセイフティーネットを崩壊させない要因となっていることを示した。

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  • イラク戦争への百年

    黒田壽郎編, 著作者, 黒田壽郎, 眞田芳憲, 陶常道, 櫻井秀子, 北村文夫, 黒田美代子( 担当: 単著 範囲: 担当:グレート・ゲームとイスラーム国家:イランとアフガニスタンのイスラーム政権)

    書肆心水  2005年2月 

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    記述言語:日本語   著書種別:学術書

    中東地域に歴史的に展開したグレート・ゲームが現在までなお有効である点を現状分析に照らして明らかにし、外部からの支配に抵抗する過程において樹立されたイランとアフガニスタンのイスラーム政権について歴史的に詳細に論じた。イスラーム政権を支持する民衆の実際の目的は社会的公正の確立であり、そのような運動が西欧社会における反グローバリズムの「公正を目指す運動」とも共鳴している点を指摘した。

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  • 経営学―企業と経営理論

    中村瑞穂編, 著作者, 中村瑞穂, 劉永鵠, 石井晴夫, 前橋明朗, 山口厚江, 日高定昭, 代田郁保, 那須野公人, 青山秀雄, 高橋元, 布施博正, 高橋秀行, 増澤洋一, 荒木直秀, 荻原( 担当: 単著 範囲: 担当:経営の国際化と異文化経営)

    白桃書房  2003年3月 

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    記述言語:日本語   著書種別:学術書

    経営の領域においてあらわれる文化的特性を検討し、さらに宗教と経営の関係について、イスラームの教義から導かれた現代イスラーム経営論を考察し、近代的合理性のみが合理的経営を行うわけではない点を明確にした。グローバル世界では、経営スタイルの一元化ではなく、むしろ多様な経営形態が共存する必要性を主張した。

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  • 中東イスラーム社会の水資源:日本の水と世界の水

    菱田昌孝, 沖大幹, 一柳錦平, 宮岡邦仁, 李紀人, 張可喜, 櫻井秀子, 中本信忠, 牧秀明( 担当: 単著 範囲: 担当:中東イスラーム社会の水資源:文明の水と紛争の水)

    東京教育情報センター  2002年1月 

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    記述言語:日本語   著書種別:学術書

    中東地域の水資源が紛争の原因となっている状況を分析するとともに、イスラームの協議、建築の様式、水資源の配分の社会的慣習などを分析して、それらがいかに文明の展開と紛争回避に寄与しているかについて考察した。

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  • 各国企業の働く女性たち

    柴山恵美子, 藤井治枝, 明泰淑, 小林英夫, 秋吉祐子, 藤井光男, 中村艶子, 渡辺美津子, 佐藤清, 長谷川伸子, 古橋エツ子, 高橋睦子, 櫻井秀子, 渡辺峻( 担当: 単著 範囲: 担当:中東イスラーム圏企業の働く女性)

    ミネルヴァ書房  2000年8月 

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    記述言語:日本語   著書種別:学術書

    イスラーム圏の女性の就業状況を中心に論じ、主としてイランやエジプトの公的セクターに働く女性に関し検討した。同時にアンペイド・ワークの本質についても論じ、オリエンタリズム的な方法論や、社会関係にとどまらず、家庭内関係までをも市場的関係に転化していく近代社会を批判的に考察した。

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  • 『アリー・シャリーアティー:イスラーム再構築の思想』ペルシア語原典翻訳・解説書

    著者, 黒田壽郎, A. シャリーアティー, 櫻井秀子( 担当: 共著 範囲: 担当:翻訳pp.49-374、解説「イスラームと民衆」pp.375-407)

    大村書店  1997年10月 

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    記述言語:日本語   著書種別:学術書

    イスラーム社会と近代西欧社会のいずれをも客観化した。現代のイスラーム社会学についても論じた。中でも、解釈学を駆使したクルアーン(聖典)の解釈から導かれる、シャリアティーのイスラーム社会論について、西欧の社会学との比較のもと詳述した。翻訳部分はベルシャ語原典から訳出した。

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  • 人類・開発・NGO

    片岡幸彦編, 著作者, ティエリ・ヴェルヘルスト, 山折哲雄, 河村能夫, 松本祥志, 櫻井秀子, 勝俣誠, 小林誠, 北島義信( 担当: 単著 範囲: 担当:脱開発的思考に学ぶ―中東地域の伝統部門の可能性)

    新評論  1997年10月 

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    記述言語:日本語   著書種別:学術書

    第二次世界大戦以降、アメリカ主導で展開された開発主義について、V.ザックス編著『脱「開発」の時代』をもとに検証し、開発政策の根底にある西欧近代の社会思想によってもたらされた単一的世界、さらにそれに抗する伝統部門の関係について、特に中東の伝統部門に焦点を当てて議論した。

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  • 講座 イスラーム世界⑤:イスラーム国家の理念と現実

    板垣雄三監修, 湯川武編, 著作者, 湯川武, 小杉泰, ナーイム・クレーシー, 櫻井秀子, 黒田壽郎, 中田考, 古賀幸久, モジュタバ・サドリア, 白井正博, 飯塚正人( 担当: 単著 範囲: 担当:シーア派イマーム論―その現代的意義と実践的適用)

    栄光教育文化研究所  1995年5月 

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    記述言語:日本語   著書種別:学術書

    イスラームのシーア派の成立過程と根拠、イマーム論の出現とその歴史的展開を詳述し、12イマーム・シーア派の社会思想に焦点を当てながら、イマーム論の現代的意義について考察した。さらに現代国家との関わりについて、イラン・イスラーム共和国成立の背景にある政治・社会思想を、西欧近代思想と比較・検討し、その特性を明らかにした。

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  • The Nature of Islamic Community

    Kuroda, T, Toshio KURODA, Yasushi KOSUGI, Miyoko KURODA, Ahmad TARABEIN, Ramadan A.SHALLAH, Akiro MATSUMOTO, Hideko IWAI, Richard I.LAWESS, Tim NIBLOCK( 担当: 単著 範囲: Wilayah and State: in the case of Islamic Republic of Iran)

    Keiso Shobo  1991年3月 

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    記述言語:英語   著書種別:学術書

    『法学者の統治理論』の成立の歴史的背景、その文化・社会的要因について分析を行った。その社会的思想的背景を20世紀初頭の立憲革命当時の固定観、憲法観の検討を通して明らかにした。

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  • 国際大学・現代中東選書3:共同体論の地平

    黒田壽郎編, 著作者, 眞田芳憲, 都築忠七, 奥田敦, 小杉泰, 岩井秀子, 黒田美代子, 鈴木規夫( 担当: 単著 範囲: 担当:第5章ウィラーヤと国家:イラン・イスラーム共和国の場合)

    三修社  1990年7月 

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    記述言語:日本語   著書種別:学術書

    イスラームの統治形態がもつ、文化的・社会的構造をウィラーヤの概念を中心に考察し、西欧近代的社会に特徴的な、政教分離を前提とした統治形態との比較分析を行った。

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  • Islamic Society and Women in Islam

    ( 担当: 単著)

    The Institute of Middle Eastern Studies, International University of Japan  1985年12月 

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    記述言語:英語   著書種別:学術書

    イスラームの文化・社会の固有性をその世界観より明確にし、存在論的平等に立脚した人間観の関係、男女の関係、そこから導かれるイスラーム女性像を提示した。西欧近代の社会平等思想も同時に分析し、西欧社会とイスラーム社会の比較分解を通して、イスラーム社会の女性の位置付けと、現代の先進西欧社会の女性が抱える諸問題についても論及した。なお、本著は、同表題の修士論文に、加筆・修正を行い出版したものである。

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MISC

  • イスラーム金融とは何か 招待

    渡辺直樹編

    宗教と現代がわかる本   126 - 129   2010年3月

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    記述言語:日本語   掲載種別:記事・総説・解説・論説等(商業誌、新聞、ウェブメディア)   出版者・発行元:平凡社  

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  • イスラーム金融と中東ビジネス

    月刊グローバル経営   ( 325 )   2009年3月

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    記述言語:日本語   掲載種別:記事・総説・解説・論説等(その他)   出版者・発行元:日本在外企業協会  

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  • イスラーム金融と企業倫理

    経営倫理   ( 53 )   2008年12月

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    記述言語:日本語   掲載種別:記事・総説・解説・論説等(その他)   出版者・発行元:経営倫理実践研究センター  

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講演・口頭発表等

  • イスラーム諸国における営利・非営利のハイブリッド経営 招待

    櫻井秀子

    日本比較経営学会第 47 回全国大会  2022年5月 

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    開催年月日: 2022年5月    

    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(基調)  

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  • 営利・非営利のハイブリッド経営:イラン、マレーシアを中心に

    櫻井秀子

    日本比較経営学会第46回年次大会  ( 立命館大学(オンライン) )   2021年7月  日本比較経営学会

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    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

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  • トランプ政権下のイラン経済 招待

    櫻井秀子

    中東情勢プロジェクト研究会  ( オンライン )   2021年2月  アジア経済研究所

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    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(招待・特別)  

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  • 制裁下のイランの経済と社会

    櫻井秀子

    地域文化学会月例研究会  ( オンライン )   2021年1月  地域文化学会

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    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

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  • イラン革命の現代的意義 招待

    櫻井秀子

    地域文化学会2019年度年次大会  ( 東洋大学 )   2019年6月  地域文化学会

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    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

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  • Social contributions of the Japanese business community: Focusing on donation activities for natural disaster reconstruction 国際会議

    Hideko Sakurai, Mikiko Shinoki

    19th Annual Conference of European Academy of Management  2019年6月 

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    記述言語:英語   会議種別:口頭発表(一般)  

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  • Characteristics of the Social Enterprise in Japan-from the Perspective of Flow Experience 国際会議

    Sendo, Ayako, Sakurai, Hideko

    16th Annual Conference of European Academy of Management (EURAM)  2016年5月 

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    記述言語:英語   会議種別:口頭発表(一般)  

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  • 格差と経済

    地域文化学会年次大会  2015年6月 

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    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

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  • Toward Socially Rational Management-Insights from Japanese and Islamic Business Ethics 国際会議

    Hideko Sakurai

    15th Annual Conference of European Academy of Management(EURAM)  2015年6月 

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    記述言語:英語   会議種別:口頭発表(一般)  

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  • 宗教と経営実践

    中屋信彦, 木村有里

    日本比較経営学会全国大会  2015年5月 

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    記述言語:日本語   会議種別:口頭発表(一般)  

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  • イスラーム経営の社会的合理性について:信頼・関係重視型経営の再評価

    日本比較経営学会第35回大会  2010年6月 

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    記述言語:日本語  

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  • 国民国家と共同体-国民経済と経済システム:イスラーム経済の視点から

    地域文化学会第13回大会  2010年6月 

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    記述言語:日本語  

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共同研究・競争的資金等の研究課題

  • CCV(Community Coexistence Value:共存在価値) 経営の理論と実践に関する研究

    2020年4月 - 2022年3月

    中央大学  特定課題研究 

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  • アジア発リバースイノベーション:イスラーム圏と日本を中心として

    2016年4月 - 2022年3月

    文部科学省  科学研究費補助金(日本学術振興会・文部科学省)-基盤研究(B)  基盤研究(B) 

    櫻井秀子

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

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  • ソーシャル・エンタープライズの成功要因の研究:その戦略と発展プロセスを中心として

    研究課題/領域番号:24530479  2012年4月 - 2017年3月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)  拓殖大学

    潜道 文子, 櫻井 秀子

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    配分額:5070000円 ( 直接経費:3900000円 、 間接経費:1170000円 )

    文献研究、インタビュー調査、アンケート調査を通じて、日本のソーシャル・エンタープライズ(SE)の成功要因と発展プロセスを探り、その基盤となる社会的起業家精神の重要性について考察した。また、ミハイ・チクセントミハイが提唱する「フロー体験」に注目し、SEでの労働の魅力とその価値を明らかにした。さらに、日本企業に埋め込まれた「関係性」重視の伝統的企業倫理について考察した。日本のSEにその企業倫理が存在すると考えられ、またそれは、CSRに基づいた経営の時代に、海外における企業倫理と比べたときより重要な価値を有すると考えられる。加えて、地方創生における社会起業家の役割とその成功の要因について考察した。

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  • ポスト・コーポレーションとイスラーム的企業:企業の多元的展開の方向性に関する研究

    2012年4月 - 2015年3月

    文部科学省  科学研究費補助金(日本学術振興会・文部科学省)-基盤研究(B)  基盤研究(B) 

    櫻井秀子

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

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  • アジアにおけるダイバーシティー・マネジメント:イスラーム、儒教、仏教を基盤として

    2008年4月 - 2012年3月

    文部科学省  科学研究費補助金(日本学術振興会・文部科学省)-基盤研究(B)  基盤研究(B) 

    櫻井 秀子

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    担当区分:研究代表者  資金種別:競争的資金

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  • 日本的多文化マネジメントシステムの研究

    研究課題/領域番号:19330088  2007年 - 2009年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)  立教大学

    林 倬史, 馬越 恵美子, 櫻井 秀子, 五味 紀男, 高橋 俊一, 荒井 将司

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    配分額:8450000円 ( 直接経費:6500000円 、 間接経費:1950000円 )

    本研究の成果を総括すると、新たな日本的マネジメントには、「クロス・カルチュラル・マネジメントとトランス・カルチャラル・マネジメントの両面を有する多文化マネジメントシステム」が不可欠であり、とりわけグローバルに競争優位性を有する新たな製品・事業を創造するためには、多様な文化的差異を組織内に取り込みつつ、それらの差異を超えた、トランスカルチャラルなあらたな組織文化を構築していくことが不可欠となる。

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  • 経営の多様性に関する事例研究:イスラーム経営とグローバル経営との比較を中心として

    研究課題/領域番号:16530263  2004年 - 2007年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)  作新学院大学

    櫻井 秀子

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    配分額:3050000円 ( 直接経費:2900000円 、 間接経費:150000円 )

    本研究は、「イスラーム経営」という、経営学において新しい領域を研究対象とし、グローバル経営におけるその位置づけについて考察した。近代経営学においては宗教と経営は相反するものとして、イスラーム経営は研究のテーマとは認知されなかったが、経営、経済がグローバル化され、実際にイスラーム金融市場がグローバル市場の一部を構成する現在にあっては、その存在を無視することができないほど重要性が高まった。本研究は平成16年度に開始されたが、最終年度の平成19年度を迎えるころにはイスラーム金融市場の発展は著しく、その固有な経営手法の研究は緊急を要するものとなった。
    本研究は、異文化経営、ならびに比較経営の観点から、具体的に、市場、コンプライアンス、金融、文化、存在論、女性労働等の領域において、イスラーム経営の固有性を考察した。持続的発展を求められる時代においては、倫理と不可分の経営のあり方が必要であり、この点において資本主義的、成長志向的な発展をあえて回避してきたイスラーム経営は、これからの経営モデルともなりうるものである。特に市場が交換一元的ではなく、贈与経済との補完的関係から構成されている点は、イスラーム経営の具体的手法を考察する点で重要であることが、本研究を通じて明らかとなった。この市場構造は、交換の合理性を利用しつつ市場を暴走させないものとして、文化的相違を超えて構築可能なものである点を示すために、日本的経営との比較も行ない、社会的共存を実現する経営のあり方を示した。

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  • 異文化対応型ビジネスマネジメントに関する研究

    研究課題/領域番号:15330083  2003年 - 2005年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)  立教大学

    林 倬史, 桜井 秀子, 秋野 晶二

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    配分額:4800000円 ( 直接経費:4800000円 )

    日本企業のビジネス・プロセスがボーダレス化するに伴い、異文化対応型のビジネス・マネジメントが不可避となってきた。本研究は、こうした企業構造上の変化を背景とした、日本的管理様式のパラダイムシフトとそこでの異文化マネジメント上の戦略的課題を明確にすることに置かれている。とりわけ、本研究は、企業の「競争優位の心臓部」ともいえる技術開発力と研究開発の国際化がどの程度進展しているのか、どのような国籍の技術者や研究者が関与してきているのかに分析上の焦点を当ててきた。また、研究分担者の桜井は、イランにおける日系企業、ならびに現地企業へのヒアリング調査を通して貴重なイスラム的価値観と経営様式に関する論文を発表している。

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  • 中東経済の構造と政策-イラン、エジプト、シリアの比較研究を中心として-

    研究課題/領域番号:09630056  1997年 - 1999年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)  国際大学

    櫻井 秀子

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    配分額:2400000円 ( 直接経費:2400000円 )

    本研究の主な目的は、イラン、エジプト、シリアの3ヶ国の経済政策の個別検討と比較を通して、それらに共通な経済構造とそれを支える社会の枠組を明らかにすることにあった。
    具体的には現代の中東諸国における経済政策をイラン、エジプト、シリアを例にとりながら、以上の二つの観点から検討することにより、中東地域が共通に抱える問題の根源を明らかにすることに主眼を置いた。この3ヶ国が位置する中東地域には、1972年のオイル・ショックで莫大なオイル・ダラーがもたらされ、一時的には産油国のみならず、周辺の非産油国もその石油収入の恩恵にあずかったが、それは一時的な経済ブームを巻き起こしたにとどまり、長期にわたる持続的、安定的な経済発展へとはつながらなかった。超大国にとっての最重要拠点の一つである中東地域は、その地域の自立や内発的発展の芽を絶えず摘み取られてきた。本研究で研究の対象とした3ヶ国は、東西冷戦構造下では、政治的、経済的に重要な戦略拠点とみなされ、つねに米ソ両大国の政策の影響にさらされた。それぞれの国が、時代と国際関係の変化によって、自由主義政策、社会主義政策、イスラーム政策といった政策を個々にとったが、いまだに開発主義の文脈でいうところの経済的発展や成功を収めてはいない。
    したがって本研究ではその根源的原因を、中東地域の経済的構造の分析から始め、第二次世界大戦後の東西冷戦構造の中でとられた経済政策とそこではめこまれた枠組がいまなお影響を与えている点、1980年代以降の構造調整策の具体的内容とそれが社会全体にもたらした正負の効果、一向に改善されないばかりか、悪化すらしている庶民の日常の経済生活を支えている伝統的部門の経済活動とネットワーク等について考察した。

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  • 地中海商業都市成立基盤と背景の総合的研究:商業、同業者組合の分析を中心として

    研究課題/領域番号:09041082  1997年 - 1999年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(A)  国際大学

    黒田 壽郎, 立本 成文, 樺山 紘一, 真田 芳憲, 櫻井 秀子, 黒田 美代子, 今村 仁司, 阿部 謹也

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    配分額:22000000円 ( 直接経費:22000000円 )

    地中海商業都市の成立の基盤とその背景について、ヨーロッパと中東世界の場合を検討する本研究では、とりわけ職能組合に焦点をあてて、その南北比較を行なうことにより、(1)職能組合そのものの相違を明確にするとともに、(2)それが埋め込まれている社会の構造の相違を明確にするという狙いを持っていた。
    本研究では、さまざまな側面からギルドの独立性、自立性にたいするヒルファの市場内性について検証してきた。現地調査、裁判所の記録等の古文書、歴史的文献の検討に関しては、シリアのアレッポ、エジプトのカイロ、ダミエッタ等を中心に、かなりの文献、資料を入手するとともに、問題の本性のそれ以外の分野からの割り出しの試みを行なった。統合的なイスラーム文明の真実を解明するためには、法学、神学、ならびに伝統的な政治、経済論をめぐっての総合的な研究が不可欠である。そうゆえに西欧サイドの研究メンバーには、学際性に関しては比類ない専門家に協力をお願いした。
    重点課題である職能組合については、ヒルファの市場的性格を確証するため、ムフタシブの制度、その崩壊後の裁判所の役割等を法学的、社会学的見地から検討する一方で、伝統的市場の活動の支えとなるひと、もの、かねをめぐって、それらがそこでいかなる特性を備え、どのような枠組の中で固有な役割を果たすのかという点を、学際的な立場から浮き彫りにした。市場のランダムで自己組織的なありようは、等価ではなく、交渉を原則とする取引の形態、利子の禁止、売買の一回性等の原則に明白にうかがわれる。これらの点は、包括的な検討が加えられた場合、西欧世界とは別種の価値観、緒制度に関する新たな検討を可能にし、これによって人間がこれまで敢えてしてきた過度の偏向に、文化的な側面から意義ある修正を加えることになろう。

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  • 伝統経済の機能と構造の総合的研究--アレッポのス-ク経済を中心として

    研究課題/領域番号:05041044  1993年 - 1995年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  国際学術研究  国際大学

    黒田 壽郎, 櫻井 秀子, 黒田 美代子, 真田 芳憲, 寺尾 誠, 湯浅 赳男, ハーリド マーグート, ABDUS Samad, 奥田 敦

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    配分額:22000000円 ( 直接経費:22000000円 )

    本年度は、(1)シリアにおける現地調査、(2)シリアの研究分担者、協力者の日本への招聘、といったプログラムを柱として研究活動を行った。
    (1)においては、過去2年間の小ハーンを中心とするス-クの調査に加えて、私的部門の製造業の調査を行うために、アレッポの伝統産業である石鹸工場、近代的設備の衣料工場、プラスティック工場の調査に着手した。企業形態、経営者の位置づけ、職人を中心とする組織形態、雇用形態と契約、取引形態、ス-クとの関係、自由化政策の影響などの具体的項目について聞き取り調査を行った。これらの工場の生産の現場はいずれも、熟練職人を頂点とする組織で構成され、経営者も生産技術に精通し直接生産に関わり、近代的な意味に置ける所有と経営の分離は認められなかった。当然のことながら企業家精神は旺盛であり、経営者自らの意志決定が経営の重要な位置を占めている。さらに規模の経済ではなく、範囲の経済を追求する中小、零細企業戦略がみられ、買手の多様なニーズに応じる多品種少量生産が行なわれている。とりわけ社会主義国のシリアにおいては、国営企業の画一的生産に対して私的部門の個別的生産が、補完的役割を果たしているとも言える。このように製造部門においてもス-ク商人と同様、直接性の重視する経営方針が窺われ、本研究において一貫して追求しているイスラーム経済理論の実証的側面が製造部門においても見い出された。とりわけ伝統産業は工場自体がス-クの中に位置しており、経営者=職人=商人といった、スッワークの多様能性が顕著にあらわれた例と考えられる。
    (2)においては、11月に研究分担者のK.マ-グ-ト、研究協力者のN.スッカルの両氏を日本へ招聘し、本研究の総括、成果発表を目的としたセミナーを二週間にわたって各地(東京、新潟、京都、大阪、神奈川)で開催した。セミナーにおいては、現代シリア経済の伝統的側面と政策的側面の双方に焦点を当て、今後の国際関係の中でのシリア経済の位置づけ、政策の特徴、伝統的経済の役割と機能、両者の連属性などが討議された。セミナーは一般に公開したが、専門の研究者をはじめとする参加者と充実した論議を交わされた。
    本研究の特色としてここに改めて特筆すべき点としては、理論の研究をふまえながら伝統経済の実態調査と実施したことであり、このような理論的基礎は調査内容に、既存の研究には見られないユニークで的確な視座を与えた。研究代表者が初年度から二年間にかけて行ったM.バ-キルッ=サドルの『イスラーム経済論』、『イスラーム哲学』、『無利子銀行論』の翻訳と解説は、伝統経済の理論的構造を明かにし、調査結果を分析しス-クの構造を理解する際に極めて重要な役割を果たした。またス-クの歴史的、理論的、実証的な側面の分析は、分担者の黒田美代子氏の『商人たちの共和国-世界最古のス-ク、アレッポ』にまとめられ出版された。さらに本研究を発展されるために、研究調査領域を地中海にまで拡大する予定であるが、この際にはイスラーム圏で〓〓性をもつイスラーム法が歴史的にス-ク経済にいかに適用されたかをふまえることは不可欠であり、この点に鑑みて研究代表者は、H.ガーバー著『イスラームの国家・社会・法-比較の視点によるオスマーン法の歴史人類学』の翻訳、解説を終え、近々刊行予定である。
    三年間にわたる本研究は、実体経済としては重要な役割を果たしながらも、国民経済の陰となって光を当てられることのなかったス-ク経済という未開拓の研究領域に属するものであったが、綿密な計画に基づいて理論構築と現地調査を同時に進行させることにより、アレッポのス-クを中心とする伝統経済の機能と構造が明かにされた。今後は本研究のさらなる発展のために、調査対象地域を拡大して、伝統経済のもつ経済システムとして側面をより一層明確にする必要がある。したがって次なる研究は、地中海商業都市に照準を当てヨーロッパの近代経済システムにも劣らぬ経済システムの解明に努める予定である。

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現在の担当授業科目

  • 2024年度   事例研究(演習)Ⅰ   学部

  • 2024年度   事例研究(演習)Ⅱ   学部

  • 2024年度   卒業研究(演習)Ⅰ   学部

  • 2024年度   卒業研究(演習)Ⅱ   学部

  • 2024年度   卒業論文   学部

  • 2024年度   基礎演習Ⅰ   学部

  • 2024年度   政策文化関係論   学部

  • 2024年度   文明の社会学   学部

  • 2024年度   西アジア社会文化論   学部

  • 2024年度   イスラーム経済・経営論   大学院

  • 2024年度   学術研究Ⅰ   大学院

  • 2024年度   学術研究Ⅱ   大学院

  • 2024年度   学術研究Ⅲ   大学院

  • 2024年度   学術研究Ⅳ   大学院

  • 2024年度   演習(総合政策セミナー)Ⅰ(1)   大学院

  • 2024年度   演習(総合政策セミナー)Ⅰ(2)   大学院

  • 2024年度   演習(総合政策セミナー)Ⅰ(3)   大学院

  • 2024年度   演習(総合政策セミナー)Ⅰ(4)   大学院

  • 2024年度   演習(総合政策セミナー)Ⅱ   大学院

  • 2024年度   特殊研究Ⅰ(イスラームの法と社会)   大学院

  • 2024年度   特殊研究Ⅱ(イスラームの法と社会)   大学院

  • 2024年度   西アジアとグローバリゼーション   大学院

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